「白い歯にしたいけど、できるだけ費用は抑えたい」
そう考える方は多く、ハイブリッドセラミックや保険適用のCAD/CAM冠(白いプラスチックの被せ物)を選択肢として検討されます。
しかし、当院では患者様のお口の状態によっては、これらの材料を積極的におすすめしないことがあります。
その理由をご説明します。
① プラスチックはすり減る
ハイブリッドセラミックや保険の白い被せ物は、主成分がプラスチック(レジン)です。
プラスチックは天然歯やセラミックと比較すると柔らかいため、
- 噛む力で摩耗する
- 噛み合わせが変化する
- 形が変わる
という問題が起こります。
特に食いしばりや歯ぎしりがある方では、数年で大きく摩耗することもあります。
② 変色しやすい
プラスチックは吸水性があるため、
- コーヒー
- 紅茶
- ワイン
- カレー
- タバコ
などの影響を受けやすく、徐々に黄ばみや着色が起こります。
入れた直後はきれいでも、数年後には周囲の歯との差が目立つことがあります。
③ 汚れが付きやすい
セラミックは表面が非常になめらかです。
一方、プラスチック系材料は細かな傷が入りやすく、
- プラーク(歯垢)
- 着色
- 細菌
が付着しやすくなります。
結果として、
- 虫歯の再発
- 歯肉炎
- 口臭
のリスクが高くなる可能性があります。
④ 割れたり欠けたりしやすい
プラスチック系材料は弾性がある反面、
長期間使用すると
- 欠ける
- 割れる
- すり減る
といったトラブルが起こることがあります。
特に奥歯に強い力がかかる方は注意が必要です。
⑤ 噛み合わせが変わる可能性がある
当院では噛み合わせを重視しています。
被せ物がすり減ると、
- 噛み合わせの高さが変化する
- 顎関節への負担が増える
- 一部の歯だけに強い力がかかる
といった問題が起こることがあります。
特に咬合に問題を抱えている方では、材料選択が非常に重要です。

ハイブリッドセラミックを装着した直後です。事前に強度の心配や噛み合わせの強さなど相談をしましたが、費用の問題でこの材料を選択しました。

わずか2年で原形がわからないくらい擦り減り、割れてしまいました。擦り減りにあわせて、上の奥歯が伸びてきているので、噛み合わせも変わってしまっています。
セラミック・ジルコニアの特徴
セラミック・ジルコニアは
- 変色しにくい
- 汚れが付きにくい
- 摩耗しにくい
- 長期間美しさを維持しやすい
という特徴があります。
そのため当院では、長期的な安定性を重視する場合はセラミック治療をおすすめすることが多くなります。

ジルコニアに変更して3年後です。歯の形が残っており、しっかり噛めています。
当院が大切にしていること
被せ物は「白ければ良い」わけではありません。
大切なのは、
✔ 長持ちすること
✔ 噛み合わせが安定すること
✔ 再治療を減らすこと
✔ ご自身の歯を守ること
です。
当院では見た目だけでなく、精密な診査・診断と噛み合わせの分析を行い、一人ひとりに適した材料をご提案しています。
「なぜその治療を選ぶのか」を大切にしながら、「綺麗」を「長持ち」させる治療をご提案しています。
噛み合わせや審美等が気になる方はお気軽にご相談ください。
※ハイブリッドセラミックや保険の白い歯が全て悪いわけではありません。症例によっては有効な選択肢となる場合も多くあります。大切なのは、材料の特徴を理解したうえで自分の口腔内にピッタリな材料を選択をすることです。
